「都市のナマハゲ」は秋田県男鹿市で200年以上伝承された重要無形民俗文化財「ナマハゲ行事」が持っている機能を再解釈し、現代の都市に移植する試みである。
元来のナマハゲ行事について入念にリサーチし、一見非合理的な古い習慣に潜んでいる合理性を発見し、相互監視による集落の維持、子供から大人への通過儀礼、家族の絆の強化といったナマハゲの持つ機能を東京の街へ実装することを思考実験した。
都市部に生息し、秋葉原、原宿、巣鴨をはし?めとした各地域に適応進化した “都市のナマハケ?”は、ソーシャルメテ?ィアによる相互監視や、街中に張り巡らされた監視網により蓄積されたテ?ータヘ?ースをもとに各都市の「悪い子」(=しつけの必要な大人) を特定。大晦日に現れ、センシンク?技術とVR技術を駆使したマイント?ハックによる ”しつけ”を施し、都市の人々に成長・幸せ・祝福をもたらすという。
男鹿のナマハゲ行事においてナマハゲの面は集落ごとの特産品で作られるのが通例のため、都市のナマハゲも秋葉原の「都市の幸」で作られた。ドローン、VRゴーグル、ゲーミングヘッドフォン、プラモデル、電子基板…といった秋葉原に流通する素材で面が構成されている。